副鼻腔とは、鼻の周囲にある空洞のことであり、鼻腔と細い通路でつながっています。
副鼻腔炎は、副鼻腔の粘膜に炎症が起こる病気です。
鼻づまり(鼻閉)、鼻水(鼻汁)、鼻内の悪臭、嗅覚低下、頭重感、頬部痛などの症状が見られます。
症状が一時的(発症から4週間以内)な急性副鼻腔炎と、なかなか症状が治らない、再発を繰り返す(3か月以上持続する)慢性副鼻腔炎に分類されます。
検査
鼻鏡や鼻咽腔内視鏡(ファイバースコープ)で膿性鼻汁や鼻茸(ポリープ)の有無を確認します。
CTによる画像検査で、副鼻腔炎の病変の部位、程度などを確認します。
また副鼻腔腫瘍との鑑別のため、MRIを行うこともあります。
治療
急性副鼻腔炎
抗菌薬、抗アレルギー薬、去痰剤などの投与を行います。
慢性副鼻腔炎
マクロライド系抗菌剤の少量持続投与などを行います。
投薬治療で改善しない場合には手術(内視鏡下鼻副鼻腔手術)を行います。
内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS:内視鏡下鼻副鼻腔手術)
内視鏡下鼻副鼻腔手術は、鼻の穴から器具を入れて行う手術です(表面に傷が残ることはありません)。
副鼻腔にはいくつかの空洞があり、鼻腔とつながっています。
手術では、腫脹した副鼻腔の粘膜を取り除き、各副鼻腔をひと続きの空洞として鼻腔へ大きく開放します。
それぞれの副鼻腔をひと続きの空洞とすることで、膿がたまりづらくなり、鼻の通りもよくなります。