外耳道は、耳の穴から鼓膜までの管状の構造です。
外耳道異物とは、外耳道に異物が入り込んだ状態です。
異物として、子供では、小石やビーズ、玩具の銃の弾など、大人では、耳掃除中に折れて残った耳かきや綿棒の先端などが挙げられます。
また昆虫などの生物が外耳道に迷入してしまうこともあります。
症状
症状は、耳の異物感、閉塞感などです。
痛みや出血を伴うこともあります。
多くの場合は、異物が入り込んだことを自覚して病院を受診されます。
ですが、小児の場合には異物が入り込んだことに気づかなかったり、叱られるのを避けるために周囲の大人に異変を訴えなかったりすることもあります。
治療
異物の摘出ですが、外耳道の突き当りは鼓膜ですので、鼓膜を損傷しないように気をつけなければなりません。
異物除去用の様々な鉗子類を用いて、外耳道や鼓膜に可能な限り損傷を与えないように処置します。
ほとんどの場合は外来で摘出可能ですが、疼痛が激しい場合や乳幼児の場合には、全身麻酔下で摘出しなければならないこともあります。
耳に虫が入った時の対処法は?
ガ、ハチ、ハエ、コガネムシ、ゴキブリ、ムカデなど様々な種類の虫が耳の中に入り込んできます。
後ずさりできない虫は、一旦、耳の奥に入ってしまうと、外耳道や鼓膜表面で足を動かして暴れるため、ガサゴソと驚くほど大きな音がして、強い痛みが出ます。
びっくりして指先や耳かき、綿棒などを入れると、虫を刺激してしまい、かえって動きが激しくなります。
まずは虫をおとなしくさせましょう
とっさの事態で使える安全で効果的な方法として、油を耳の中に注入する方法があります。
外耳道の入り口まで浸るくらいにたっぷりと食用油、オリーブ油、ベビーオイルなどを注入し、虫を窒息させます。
大切なことは、まず虫をおとなしくさせることです。
その後に耳鼻咽喉科を受診していただき、虫を除去してもらいましょう。