鼻の奥と中耳は耳管という管で通じています。
風邪などにより鼻やのどでウイルスや細菌が増殖した場合に、これら耳管を通じて中耳内へと侵入し、中耳炎を起こします。
急性中耳炎は、小さい子どもに多く見られる疾患で、3歳までに7割以上の子どもが罹患すると言われています。
症状
- 発熱
- 耳の痛み
- 聞こえにくさ、耳が詰まった感じ(耳閉感)
- 耳だれ(耳漏)
小さなお子さんでは症状の訴えが少ないため、頻繁に耳に手を当てるしぐさがあれば中耳炎を疑う必要があります。
検査・診断
鼓膜の観察(耳鏡、顕微鏡、内視鏡など)
鼓膜の観察で、鼓膜の発赤、膨隆、穿孔の有無などを確認します。
細菌培養検査
耳漏から細菌培養検査を行い、原因となっている菌の種類や有効な抗生剤の種類を調べます。
中耳炎の原因となる菌は耳管を通して鼻から中耳に侵入するため、鼻から細菌培養検査を行う場合もあります。
治療
抗生剤
細菌感染が原因の場合には抗生剤を投与します。
近年、抗生剤が効きにくい耐性菌が原因となるケースが増えています。
治療を行ってもなかなか治らない場合は耐性菌が原因になっていると考えられます。
そのような場合には細菌培養検査の結果に沿って、適切な抗生剤を選択することが重要となります。
切開
また中耳炎による痛みが強い場合や高熱がなかなか下がらない場合などに鼓膜切開を行うことがあります。
鼓膜を切開し膿を除去することで、中耳内の細菌の量を減少させることができます。
切開した鼓膜は中耳炎が改善すると多くの場合数日で閉鎖します。