突発性難聴は、ある日突然、聞こえが悪くなる病気です。
聞こえの改善、増悪を繰り返すことはなく、片方の耳だけに起こることが多いです。
難聴のほかに耳鳴りやめまいなどの症状を認めることもあります。
原因
突然発症した感音難聴(内耳~神経に問題がある難聴)のうち原因がはっきりしないものを突発性難聴と呼んでいます。
原因はいまだ不明であり、循環障害やウイルス感染、自己免疫などの病態が入り混じっていると推定されています。
検査
純音聴力検査
難聴の程度について評価します。
耳音響放射(OAE)、聴性脳幹反応(ABR)検査
純音聴力検査で再現性のある結果が得られない場合に行います。
機能性難聴でないか確認できます。
(機能性難聴:音に対する耳の反応には問題がないが音を認識できない難聴)
MRI
聴神経腫瘍に伴う難聴との鑑別のために行うことが推奨されます。
治療
通常は、薬物療法として副腎皮質ステロイド、血管拡張薬、代謝改善薬、ビタミン製剤などの点滴や内服が行われます。
それ以外にも高圧酸素療法や副腎皮質ステロイドの鼓室内投与が行われています。
発症早期(発症後2週間以内)に治療を開始した方が、聴力予後が良好であるとの報告もありますが、いずれの治療においてもその有効性は必ずしも確立していません。