当院では、投薬で十分な症状緩和が得られないアレルギー性鼻炎の患者様に対し、内視鏡による日帰り手術を行っています。
どんな手術?
アレルギー性鼻炎の主な症状は鼻閉(鼻づまり)、鼻汁(鼻水)、くしゃみです。
アレルギー性鼻炎の手術は、鼻閉を改善する手術と鼻汁・くしゃみを改善する手術に分けられます。
①鼻閉を改善する手術
粘膜下下鼻甲介骨切除術
アレルギー性鼻炎では、鼻の外側にある「下鼻甲介」という襞(ひだ)が腫れるため、鼻づまりが生じます。
この下鼻甲介を減量することで鼻閉の改善が期待できます。
鼻中隔矯正術
左右の鼻の間には「鼻中隔」というついたてがあり、成長とともに左右どちらかにたわむことが少なくありません(鼻中隔彎曲症)。
鼻中隔彎曲症により鼻閉がさらに増悪することがありますので、上記の粘膜下下鼻甲介骨切除術とともに鼻中隔矯正術を行うことがあります。
②鼻汁・くしゃみを改善する手術
経鼻的翼突管神経切断術
鼻の奥に後鼻神経(翼突管神経の分枝)があり、鼻汁の分泌、くしゃみの誘発に関わっています。
この神経を切断することで、鼻汁・くしゃみの改善が期待できます。
翼突管神経を切断すると涙の分泌も減少してしまいますが、その分枝の後鼻神経のみを切断することで涙の分泌障害を防ぐことができます。
手術の効果
内服や点鼻による治療で改善しないアレルギー性鼻炎の症状(鼻づまり、鼻水、くしゃみなど)を改善させることができます。
麻酔について
当院では麻酔科専門医による全身麻酔での日帰り手術を行っております。
患者様の手術中の状態を麻酔科医が責任を持って管理します。
患者様は眠っている状態ですので、不安や痛みを感じることなく手術を受けることができます。
日帰り手術について
従来、手術では1週間前後の入院をしていましたが、近年では1泊2日、日帰り手術といった短期滞在型手術を行う施設が増えてきています。
日帰り手術(短期滞在型手術)の説明、手術の流れについては、こちらの案内ページをご確認ください。
費用について
手術の費用は高額となりますが、高額療養費制度の対象となります。
手術の費用と高額療養費制度については、こちらの案内ページをご確認ください。
アレルギー性鼻炎の手術についてよくある質問
- 手術時間はどのぐらいかかりますか?
- 手術の内容によりますが、およそ1~3時間かかります。
- 手術による副作用はありますか?
- 術後に出血することがあります。出血量が多い場合には止血処置が必要となります。
- 手術当日の来院では、付き添いが必要ですか?
- 基本的に付き添いは不要ですが、ご家族による送迎などは患者さんへの負担も抑えられるためご協力をお願いしております。
- 術後、何日くらいで仕事復帰できますか?
-
デスクワークでしたら、手術1~2日後から復帰していただけます。
肉体労働に従事している方は、手術2週間後からの復帰となります。
家事、食事、飲酒など、退院したらすぐに元の生活に戻るのではなく、無理せず徐々に元の生活に戻りましょう。
※シャワー浴は手術翌日から、入浴は1週間後から可能です。ただし、入浴が可能になってからも長湯はしばらく控えてください。